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ブリキ缶建造記

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主に1/700艦船模型の制作記録

実践的模型制作ハウツー本

▼森慎二著 『切る、貼る、削る。&塗る!!』
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定価3200円+税。128頁、オールカラー。
本書はおおまかに3部構成になっています。

(1) 冒頭、「知らないと損する工具選び」と題して、模型制作に役立つ工具類67種を詳しく紹介。

(2) 「切る、貼る、削る。」のページでは、主にヤスリの取り扱い方、各種瞬間接着剤の使用感比較レビュー、模型用ナイフの選び方など、モデラーにきわめて有用な情報が多い。

(3) 「塗る!!」のページでは、塗装全般の基礎的な注意点を解説している。



以下、(1)から順に内容についての個人的な感想です。

模型制作を再開してから早8年、必要な工具類はそれなりに揃えてきたつもりでしたが、本書で紹介されている工具のうち、所持しているものはおおよそ半数くらいでした。
地方では入手の困難なものや、ピンポイントで役立ちそうではあるが高価なものなども含めて、興味津々で読み進めました。ただ、全般的に大仰な見出し文が個人的に鼻につく感じではあります。
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工具の客観的な評価・レビューというのは難しいもので、模型制作者による好みや制作環境の違いがありますし、当たり前ですが制作する対象(ジャンル)によって必要性の度合いが大きく変化します。

例えば、上画像の「瞬間接着剤用の極細ノズル」は、使う人は大量に使い捨てますが、使わない人は全く使わないものでしょう。私自身は現在全く使わないアイテムです。艦船模型用のエッチングパーツ等極小部品を接着する際には、極細ノズルでも太くて扱いにくいです(以前これで接着剤を付け過ぎてしまい、トラウマに…)。

画像下の「型取りゲージ」は本書で初めて知りましたが、船体曲面の修整作業で左右対称の確認に使えそう! これは欲しいかも…。


(2)について。

この章で最も力が入っている(コストがかかっている?)頁は、恐らく「瞬間接着剤33種の使用感比較テスト」ではないかと個人的に思います。
瞬間接着剤を常用する量産モデラーや、店頭でどれを購入してよいか迷う方にはとても有用な情報が掲載されており、そういう方は本書をチェックしてみる価値があるでしょう。
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私自身は瞬間接着剤の使用頻度が低い(月に数回程度)ため、普段購入するのはタミヤの「使い切りタイプ」のみです。
各メーカーの瞬間接着剤を大人買いして全て試用してみよう、なんてことはよほどの物好きでもない限り個人ではなかなか…(笑)。瞬間接着剤は一度開封すると長期保存が難しい(冷蔵庫で保管していても、品質劣化が遅くなるだけで、いずれは劣化します)ため、必要以上の容量の商品を買い置きしても無駄になるだけです。一定期間内にどれくらい使用するのか把握することが大事ですね。


(3)「塗る!!」に関しては、最初の頁にエアブラシと筆塗りを併用した“ハイブリッド塗装法”を紹介し、以降は吹き付け塗装が前提の解説記事が最後の頁まで続いております。
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塗装の「“基礎”ポイント集」と銘打つならば、定石ともいえる筆の持ち方、運筆の仕方、筆圧の加減や、エアブラシ塗装後の筆塗りでのタッチアップの要領なども合わせて解説するのがベターではないか? と思いました。また、サーフェイサーを模型全体に「吹くか、吹かないか」という記述ばかりで、部分的に筆で「塗る」という視点が欠けていることも気になりました。
まあ、私自身が筆塗りオンリーゆえのやっかみもありますけれども(笑)。頁数の都合もあるでしょうし、なにしろ中~上級者向けに編集された本ですので、筆塗りの基礎的な事柄は割愛したのかも知れませんね。


工具紹介の頁は別として、本書は月刊モデルグラフィックス(MG)誌と系列誌(AM/SA/NY)の模型制作HowTo記事を抽出して編集し直したような印象です。各誌のバックナンバーを全てチェックしている訳ではありませんので確実にはいえませんが…。少なくともNY誌やTakumi本で以前見たことのある内容の頁がちらほらとありました。

大日本絵画の模型関連書籍は、製本の仕立てはとても良いのですが価格がその分割高で、書店で内容を確認できない場合購入を躊躇する方がおられるかも知れません。勝手ながら少しばかり詳しくレビューしてみました。
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by minekaze1920 | 2013-07-15 17:51 | 書籍