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ブリキ缶建造記

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主に1/700艦船模型の制作記録

砲艦宇治1941 その三

■木甲板の塗装

更新の間があいてしまいました。木甲板の塗装色についてあれこれ悩んでいたのが主な原因です。

▼まず下地塗装として、タミヤのホワイトサーフェイサーを船体全面に筆塗りしておきます。
下に敷いているのは柾目の杉材で、これの色合いを参考にしながら塗装していきます。
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▼板目のモールドに沿って、タミヤアクリルXF-52 フラットアースを薄く適当に塗っただけですが、割と良い感じになりました。
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改めて、自分の塗り方は水彩画風なんだな…と感じました。同じ瓶の色でも濃淡の塗り重ねや下地の状態によって色調が変化するのを利用しています。

▼艦橋構造物を仮置きしてみました。構造物の横を通行するスペースが非常に狭いことに気付かされます。
舷側に塗っておいた白サフは、耐水ペーパーでならしておきました(ほとんど塗膜が落ちました)。
この後、外舷色を筆塗りしますが、上手くできるかどうか不安…。
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さて、記事冒頭の補足となりますけれども、模型に塗装するにあたり砲艦「橋立」型の甲板材には、どのような樹種の材が使用されていたのか? 疑問でしたので少し調べてみました。しかし、結局具体的な樹種名はわかりませんでした。
というか、日本海軍艦艇の木甲板の詳細についての情報は、Web上でも驚くほど少ないですね。
ただ、『軍艦メカニズム図鑑 日本の戦艦(上)』204頁に参考となる一文がありましたので、以下に引用させていただきます。


 木甲板の材料にはほとんどチーク材が用いられていたが、その入手が困難になってからは、米松・檜・杉などが使用され、木甲板の端の部分に使用されるマージン・プランク(margin plank:縁板)には、これらよりやや固い欅、塩地なども使われた。


塩地(シオヂ)というのは、関東以西に分布するモクセイ科の広葉樹で、関東以北に分布するタモ(ヤチダモ)によく似た性質の樹種です。

戦前の砲艦は、日本海軍艦艇の“軍艦”のカテゴリー内では最も下位の艦種だったようです(石橋孝夫著『艦艇学入門』より)。
上位の戦艦と同じ樹種の甲板材が砲艦に用いられていたのかどうか、これも確かめたい点ですが、手元に資料が無いため何ともいえないところです。

砲艦「宇治」の竣工は1941年で、戦艦「大和」型や航空母艦「翔鶴」型と同じ第三次補充計画で建造された艦です。
時期的にチーク材や米松材が使われたとは考えにくいでしょう。で、檜か杉のどちらかの可能性が高いと考えたのですが…、単に檜といっても本土産の檜と台湾産の檜(戦艦「大和」の甲板材は台湾檜でした)では材色や性質が異なりますし、杉の場合も日本海側の“裏杉”と太平洋側の“表杉”で性質が違うようです。
「宇治」の甲板が写っているモノクロ写真(学研『真実の艦艇史2』43頁より)を見た印象では、何となく杉ではなく檜っぽいな…と思いました。ですが、手元に檜のサンプル材が無かったため、代わりに杉材を参考にして模型を塗装してみた次第です。

きちんと考証するならば、使われた材種とその産地までを入念に調べる必要があります。でも、模型に塗装する際には考証よりもスケールバランスとか外舷色との兼ね合いで甲板色を決めるモデラーが多数ではないかと思います。
細部工作と同様に、塗装についても考証と模型的見映えのバランス感覚が大事ですけれども、両立はなかなか難しいところですね。
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by minekaze1920 | 2013-03-16 19:02 | 砲艦宇治1941