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ブリキ缶建造記

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主に1/700艦船模型の制作記録

終戦と帝国艦艇

▼福井静夫著 『終戦と帝国艦艇』
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今年購入して読んだ書籍のなかでは、最も印象に残っている本です。
表紙写真の大破着底した戦艦「伊勢」のインパクトが強烈です。個人的には、“大艦巨砲主義から航空主兵へ”という時代の流れに大いに翻弄されたという意味で、最も大日本帝国海軍を象徴するフネではないかと思います。

さて、本書は1958年(昭和33年)に初版刊行されたものを元にして、2011年に新装復刻再発刊されたものです。
本文の内容自体はほぼ原著のままだと思いますが、巻末に新たに資料を追加収録しています。
私のように最近になって艦船ファンになった者にとっては、昭和時代の比較的古い絶版本が新刊書店で入手できるようになり、大変有難いことです。出版する側は大変なことだろうと推測しますが、今後もこのような復刻版を出していただけるよう、切に願います。

本書はいうまでもなく、終戦時に残存した艦艇研究の資料としては一級の素晴らしい本です。当時の貴重な艦艇写真が多数掲載されておりますが、モデラー的視点からあえていわせていただくと、模型制作に有用な鮮明な写真や艦形図面の類いが少なく残念なところです。まあ、この辺は私自身の資料活用能力不足を痛感するところで、限られた写真資料から情報を読み取る力(考証力?)を鍛えないといけませんね…。

読後強く感じたことは、「機雷の恐ろしさ」ひいては「掃海作業の困難さ」ですね。
米軍機が本土近海・港湾付近に各種機雷(磁気・音響・水圧などの感応機雷)を多数(1万2千個以上…)投下したために、船舶輸送が滞ってしまい日本が飢餓状態になっていった結果が、本書を読んで良くわかりました。
終戦後ただちに、投下された機雷を処分するために多数の残存掃海用艦艇が動員され、また多くの艦艇船舶被害と殉職者を出してしまった事実も述べられています。もちろん進駐米軍も掃海作業を行っておりましたが、最終的な後始末は日本側が実質行わざるをえなかったとのことです。


年末のこの時期に紹介するにはあまりふさわしくないテーマの本だったかも知れません…。
いつか終戦時の艦艇を一隻くらい模型で再現してみたいですね。やっぱり大型艦ではなく駆逐艦か海防艦になりますが。(^^;
それでは、皆様よいお年を。
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by minekaze1920 | 2012-12-31 18:42 | 書籍