初春1933 その十(完成)
模型は1933年8月の“新造時状態”となります。船体にバルジの付いた“就役時状態”は、同年9月です。
新造時ですので汚し塗装は行っておりません。
数ある日本海軍駆逐艦のなかでは最も重厚特異な艦容で、模型映えします。
今回は背景紙を白にしてみました。模型が暗めに写ってしまいなんだかイマイチな印象…。
以前のような青い海面ベースで撮影すると青カブリが気になりますので悩ましいところです。
就役前なのに駆逐隊番号が書かれているのも変な感じですが、バルジの無い新造時停泊状態の「子日」の写真では書かれておりますね。
前檣はもう少し低く作成するべきでした…。少々バランスが悪いです。
主砲の砲口はキャンバスに覆われた状態として、白く塗りました。
艦尾側の実艦写真は残されておらず不明部分が多いです。装填演習砲など、独自の解釈で部品を付けたところもあります。
戦前の艦艇写真では、白いローマ数字(昭和初期にアラビア数字に変更されたようです)で書かれた喫水標が意外と目立ちます。
模型では小さすぎて点状にしか塗れませんが、良いアクセントになると思います。
今回の制作テーマというか、個人的にこだわったところ。
・キットに同梱のエッチングパーツを使用しない(使用キットはエッチング付き限定版)。
・キット付属のデカールを使わず、艦名表記は手書きする。
・マスキングテープを一切使わず、塗装の細部塗り分けを行う。
もちろん、これらを使ったほうが制作に便利で効率的なのは承知しております。
メーカーがせっかく用意してくれたのに使わないのはもったいない、という意見もあるでしょう。
しかし、あえて使わないという選択肢もアリではないだろうか、と考える次第。
エッチング無しの通常版キットが後から発売されることを事前に知っていれば、本当は安価な通常版を購入したかったのですが…。
模型の細部考証的には、少ない実艦写真から判別可能なキットの修整点を直していなかったり、当時の「初春」と「子日」の相違点を再現しきれていない点がいくつかあります。
詳しい方がご覧になると突っ込み所が多いと思われますが、素人のつたない制作品ですのでご容赦願います。